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【デマ?】コオロギはプリン体が多い?論文・含有量・痛風患者は注意が必要か【コオロギパウダー】

2023年4月29日ニュース記事コオロギ

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長い人類の歴史で食用とされなかった昆虫「コオロギ」。

がしかし、最近SDGs(持続可能な開発目標)というクソ政策のもと、その人類が無い歴史の中で食べてこなかった「コオロギ」を使用した食べ物を猛プッシュしていることから、多方面から非難されている。

そんなコオロギなのだが、最近ツイッターではあの「あん肝」よりもプリン体という高尿酸血症・痛風の原因となる物質が多く含まれているのでは?と話題となり、さらにコオロギ食に対して風当たりが強くなっている。

ここでは、そんな「コオロギ」は本当にプリン体が多いのか?ということをまとめていく。

コオロギはプリン体が多いのか?多さを指摘するツイート

【デマ?】コオロギはプリン体が多い?論文・含有量・痛風患者は注意が必要か【コオロギパウダー】

長い人類の歴史で食用とされなかった昆虫「コオロギ」。

イナゴは昔から食べられてきたのだが、長い歴史の中でもコオロギは雑食ということもあり食用とされてこなかったにもかかわらず、ここ最近不自然なくらいパウダー状にしてパンやクッキーに混ぜた商品を開発して、テレビなどでも紹介して日本国民に食べさせようと必死だ。

そんなこともあり、日本国民の大半はコオロギ食に対して批判的な人が多いのだが、より拍車をかけるかのようにコオロギには大量のプリン体が含まれていることが話題となった。

また、都内の痛風医師とされる方もコオロギはプリン体が多いので痛風患者には食べさせるなという警鐘を鳴らす記事もある。

このような感じで、あん肝やレバーの約15倍ものプリン体がコオロギには含まれているようなのだが、果たして本当なのだろうか。

コオロギはプリン体が多いという論文

2013年メンデル大学ブルノの論文

まず、コオロギにプリン体が多いとツイッターに話題となったソース元の一つとして、メンデル大学ブルノの論文が挙げられる。

背景: タンパク質の含有量が高いことを考えると、昆虫は貴重な代替タンパク質源です。しかし、それらのプリン含有量の評価はこれまで行われていません。プリン誘導体の含有量が高いと、特定の病気を持つ人々の食事からそのような食品が除外される可能性があります. この研究の目的は、選択されたプリン誘導体の含有量と、ヨーロッパで昆虫食に最もよく使用される 3 つの昆虫種のアミノ酸プロファイルを分析し、それらを卵白と鶏胸肉のプリン含有量と比較することでした。

結果: 個々のプリン誘導体の含有量とそれらの合計含有量は、昆虫の種に大きく依存していました。3 種すべてのプリン含有量は、卵白よりも有意に高かった (P < 0.05) が、鶏の胸肉よりも有意に低かった値もあった (P < 0.05)。総タンパク質含有量は、ミルワーム (Tenebrio molitor) で 548.9 g kg(-1) 乾物 (DM)、スーパーワーム (Zophobas atratus) で 551.6 g kg(-1) DM、コオロギで 564.9 g kg(-1) DM ( Gryllus assimilis)。

結論: ミールワームとスーパーワームの幼虫は、タンパク質が豊富でプリン体が少ない代替肉です。対照的に、コオロギのニンフ(幼虫)はタンパク質とプリンが豊富で、高尿酸血症や痛風の人にはお勧めできません.

▶出典:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23633284/
© 2013 Society of Chemical Industry.

昆虫は貴重な代替タンパク源なのだが、プリン体の含有量については考慮されてなく、その研究を行った結果としてミールワームとスーパーワームの幼虫は蛋白が豊富でありプリン体が少ないのだが、コオロギの幼虫は蛋白は多いものの同時にプリン体が多いため高尿酸血症や痛風の人にはおすすめできないというものだ。

Semantic Scholar

ということで、上記論文によるとプリン体が高いのは「コオロギの幼虫」とはっきり書かれているのだが、コオロギ100gあたりのプリン体含有量が3141.9というソース元は以下の2015 年 11 月に公開された人工知能を利用した科学文献の研究ツール「Semantic Scholar」の論文からだと思われる。

【デマ?】コオロギはプリン体が多い?論文・含有量・痛風患者は注意が必要か【コオロギパウダー】

【デマ?】コオロギはプリン体が多い?論文・含有量・痛風患者は注意が必要か【コオロギパウダー】

▶出典:https://www.semanticscholar.org/paper/Purine-derivate-content-and-amino-acid-profile-in-Bedn%C3%A1%C5%99ov%C3%A1-Borkovcov%C3%A1/91e856acc71319e9be3f50d937a123a44d2938f4

英語でコオロギは「Criket」と呼ばれるのだが、上記リンク先の評を見てもコオロギ100gあたりのプリン体(purine)含有量は3141.9とはっきり記載されており、バズっているツイートの情報元はこちらで間違いないだろう。

ただし、あくまでこれは幼虫の段階であり、成長していくにつれてプリン体は減っていくとのことだ。もし早い段階で収穫してるならプリン体が多いが、ある程度成長した段階なら多少なりとも減っていることになる。

Wikipedia「プリン体及び尿酸の含有量」

また、Wikipediaのコオロギのページにもプリン体含有量について以下のような記載がある。

M Bednářováらの「食用昆虫3種の幼虫期におけるプリン誘導体含有量とアミノ酸プロファイル」によると、ジャマイカンフィールドコオロギ(Gryllus assimilis)の幼虫のプリン体及び尿酸の含有量は100g当たり3141.93mgに達し、ミールワーム等の他の虫と比べても多量を含有している[26]。ただし、このうち2218.81mgは尿酸であり[26]、プリン体と異なり尿酸を直接摂取しても血中の尿酸値は増加しない[27][28]。また、M Sabolováらの研究によると、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus)の成虫におけるプリン体総量は、メスが乾燥重量100gあたり601mg、オスが696mgであった[29]

▶出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%AA%E3%83%AD%E3%82%AE

プリン体及び尿酸の含有量は100g当たり3141.93mgとしつつも、その大半である2218.81mgは尿酸であり、プリン体と異なり尿酸を直接摂取しても血中の尿酸値は増加しないと記載されている。

そのため、幼虫の段階でもプリン体及び尿酸の含有量は100g当たり3141.93mgから2218.81の尿酸を引いた数値は923.12mgとなり、ツイッターでバズっているツイートの数値よりも実際のプリン体は少ないことになる。

がしかし、それでも幼虫の時点で923mg、成虫となった状態でもメスが乾燥重量100gあたり601mg、オスが696mgと100gあたりの計算にはなるが、あん肝やレバーよりも多いのは確かだ。

コオロギプリン体多いのはデマと主張する声

コオロギはプリン体が多いというツイートがバズりにバズって、コオロギ=高プリン体という認識が広まっているのだが、それに対する反論ツイートも出ている。

ある程度多いのは認めてはいるのだが、あん肝の10倍というのは嘘でありデマだというものだ。

確かに上記のソース元の論文やWikipediaの数値そのまま載せているためインパクトはでかいのだが、あくまで3141.93mgは幼虫の段階の話であり、さらに尿酸も含んだ数値であり、上記に上げたように実際はもう少し少なくなる。

また、幼虫ではなく成長するにつれてプリン体は減る傾向であり、成虫の段階でようやくあん肝の2倍くらいとなることが伺える。

そのため、あん肝の10倍は話を盛りすぎであるが、プリン体含有量は多いことは変わりないため、摂取の際には注意が必要ということになる。

コオロギパウダーにした場合はプリン体が更に多くなる可能性も

このように、コオロギはプリン体が多いと判明したのだが、そもそも「プリン体が多い」という定義は食品100gあたり200mg以上含まれることを指す

極めて多い(300mg~)
鶏レバー、干物(マイワシ)、あんこう(肝酒蒸し)など

多い(200~300mg)
豚・牛レバー、カツオ、マイワシ、干物(マアジ)など

▶出典:https://brand.taisho.co.jp/contents/livita/243/

また、プリン体は1日400mgまでの摂取量が目安と言われており、鶏のレバーを200g食べただけで簡単に1日の摂取上限量の目安を軽々超えてくる。

そんなプリン体は乾燥させた状態で増えるのだが、ただでさえプリン体が多いコオロギをパウダー状にするというだけで恐ろしいくらいのプリン体が含まれるのは想像に難くない。

現状「コオロギ」という名前が付く商品には、コオロギをパウダー状にしたものが使用されている事が多く、具体的にどのくらいの含有量が含まれているのかはその商品によって異なるとは思うが、いずれにせよ痛風持ちの人は気をつけたほうが良さそう。

プリン体云々よりも、コオロギとか昆虫なんてちょっと前までは罰ゲームで食わされるようなものを急に猛プッシュされていることに違和感しか感じないし、そもそも長い人類の上で食用とされてこなかった歴史があるのは何かしらの理由があるはず。そのため、いくら勧められようとも私は口にすることはないだろう。

2023年4月29日ニュース記事コオロギ

Posted by メソマ@管理人