企業型攻略サイト(企業系wiki)の悪魔的SEOのやり方|検索妨害・SEOに強く検索上位に表示される理由
2020年9月8日に大@nani氏の漫画でジャンププラスで連載中の「ゲーミングお嬢様」に検索結果を埋め尽くす企業Wiki、いわゆる企業型攻略サイトを批判するような内容が投稿された。
この投稿が反響を呼び、かねてよりゲームの攻略情報がろくに手に入らない状況が続いていることでユーザーの不満が爆発。
そこで、ここでは企業型攻略サイト(企業wiki)がなぜSEOが強いのか?SEOだけで安定して月間数百PVを今でも稼ぎ続けるブロガーの私が徹底的に解説していく。
ゲーミングお嬢様に企業型攻略サイトを批判するような内容が公開
2020年9月8日に大@nani氏の漫画でジャンププラスで連載中の「ゲーミングお嬢様」に以下のような一コマが公開されました。
↓全文はこちら
主役のお嬢様が「私たちが協力して新たな攻略サイトを立ち上げるのと企業系Wikiのビルを〇〇するのと」「どっちが効率的で早いと思いまして????」とただならぬ表情で怒りに満ちていることがおわかりであろう。
続けて以下のようなコマが続く。
ご覧の通りお嬢様は「みんなで善意で育み合い、ゲーム界隈を盛り上げてきた歴史を企業Wikiが打ち壊した」ことに嘆き悲しみ、このwiki的文化をつないでいきたいと願う一コマである。
こちらの漫画が投稿されて以来、Twitter上では大反響を呼び、今までに溜まって鬱憤を叫ぶが如く、企業Wikiに対するヘイト的なツイートが数多く投稿された。
企業Wikiに対する怒りの一部
ゲーミングお嬢様を見た元企業wikiライターのぼく pic.twitter.com/CzLyPczDMC
— 仮猫 (@karineko04) September 8, 2020
企業wikiって収益見込めるタイトルしかまともに更新しないし
その更新してるタイトルすら個人サイトや有志wikiから丸パクリしてきてパクリ元がやる気失せて更新が止まる→企業wikも当然更新が止まる
みたいなクソコンボ発動しがちだからまじで害悪だよね この世から無くなるべき— ましろ (@masiro_g_b_f) September 8, 2020
正直な話企業wikiは攻略を停止したタイトルはその記事をベースに個人に対しては新しく攻略サイトを作る許可を出してほしい
— 木村唯人 (@KimuraYuito) September 8, 2020
この前の企業wiki云々の話でワーフリのリセマラ関連を覗いてみたら案の定ひどかったので、独断と偏見でおすすめキャラの一覧を作った #ワーフリ#リセマラpic.twitter.com/6geeZKO47n
— るーく (@Lucariolukun) September 10, 2020
挙げればキリがないので、このくらいにしておきますが、かねてよりこういった企業型攻略サイトは人気ゲームタイトルをのぞいて評判が著しく悪い。
そのくせSEOだけには強いためゲームタイトルによっては検索結果を全て埋め尽くす時もある。
そんな企業WikiのSEOの手法を現役ブロガーの私が解説していこう。
企業型攻略サイト(企業wiki)の悪魔的SEOのやり方
↑企業型攻略サイトの代表格Gamewith。過去にはパクリが問題化し謝罪したこともある。
企業型攻略サイトの善悪はまた別でまとめるとして、ここでは検索結果を汚染するSEOのやり方についてまとめていく。
そもそもGoogleが権威性(オーソリティ)があるとして企業サイトを優遇
2018年頃より、Googleは検索順位を決める指標の一つに「権威性(オーソリティ)」を重視するようになりました。
簡単に言えば、「よくわからない個人が制作する記事よりも、所在地や代表者などが明記されていて複数人で制作する企業の方が正しい情報を載せていることが多いので信頼できる」として企業サイトに対して忖度する方針をとっています。
きっかけは、2016年のWELQというDeNAが運営していた医療サイト。このサイトは医療という大事な分野にもかかわらず適当なことばかり書いていいて、それでいて検索上位を取りまくっていたので、こういった健康に関する分野やお金に関する分野=YMYL(Your Money Your Life)ジャンルの記事は誰が書いていているのかを重要視するアップデートが行われ、基本的に個人ブログや医療関係者が執筆した記事でない場合はYMYLジャンルでは上位表示できなくなりました。
このアップデートの影響で昨今はYMYLジャンルだけでなく、その他の分野でも基本的にE.A.T(Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性))がかなり重要しされるようになってしまったため、現在ではドメイン単位(会社で運営しているかどうか)、誰が書いているかで判別され、記事の内容は二の次という側面が強いです。
そのため、特にゲーム攻略記事なんて似たり寄ったりすることが多いジャンルは、このドメインパワーで個人ブログは企業サイトに対して勝ち目がないので、どんなにゆーざーのためになることが書かれていても個人ブログ・個人運営サイトはどうしても埋もれてしまいます。(界隈ではポケモン徹底攻略が良い例。)
さらに、企業よりも読者が有益な情報と明らかに見てわかるような内容の記事を制作したとしても、この権威性が足りないだけで、検索エンジンのbotは企業よりも劣っていると判断してしまうので、実質的に個人は一生ROMってろみたいな状態となっています。
圧倒的な人海戦術で記事を量産
上の権威性に関連することですが、企業型攻略サイトはアルバイトを大量に雇い、記事を量産するスタイルをとっています。
個人がどれだけ頑張っても、企業型攻略サイトの人海戦術には勝てず、スピードと量ではどうしても勝てません。
さらに記事数が多くなれば多くなるほど、Googleの評価が上がり自然と権威性が上がる構造となっていて、新たなゲームが出るたびに攻略サイトを作成しページ数を増やすことで、ドメインパワーが上がる仕組みです。
ただ、記事が多ければいいものではなく、ある程度の質は必要です。しかし、ゲーム攻略記事なんてデータと何か一言載せるだけで一応データベースとしては機能するため、ある程度の質は保ててしまいます。
仮にそれが誤情報だったとしても、それをGoogleのbotは現状見抜くことが不可能。ある程度文章が載ってさえいれば、それは良いページと判断してしまうのが現状です。
最適化された内的SEOのサイト構造
どの企業型攻略サイトもそうなのですが、基本的な内部SEOを行ってサイト構造を最適化させています。
タイトルをh1タグ、小見出しをh2タグ、小見出しの答えをh3タグに指定することで、読者に対してだけでなく、Googleに対しても読みやすさをアピールしています。
⬆️GameWith のある森攻略サイトを例に挙げてみる。
さらに、記事中に関連記事や、各項目にリンクを設置、そしてサイドバーには他のゲームタイトルの攻略サイトにリンクを貼ることで内部リンクをこれでもかというくらい最適化されています。
人によっては「リンク貼りすぎじゃね?」って思う人もいるかも知れませんが、GoogleのAI的にはこれが「親切な対応」と判断され、SEO効果が絶大とされています。
ゲーム画面のスクショを多用し滞在時間を向上
SEOの指標の1つにユーザーの滞在時間があります。
特にゲーム攻略記事は覚醒前や覚醒後、衣装一覧、キャラのアイコン一覧といった複数の画像を用意することは容易であり、ゲーム画面のスクショを多用し、スクロールを促すことで滞在時間を嫌でも伸ばすことが可能です。
ガチャシュミレーターを使った外部リンク(被リンク)の獲得
内部構造最適化、内部リンク、記事量産などといったSEOにおける「内部SEO」の他にも、企業型攻略サイトは「ガチャシミュレーター」を使い、Twitterなどから外部リンクを得ています。
一般的に、こうしたTwitterやFacebookなどのSNSからの被リンクはnofollow(ノーフォロー)のタグがついているため、SEOの価値はあまりなく検索順位には影響しないと考えられてきました。しかし、上のガチャシミュレーターを見てわかる通り、「#FGO」と記載されているのですが、この「#(ハッシュタグ)」はツイッターの検索画面以外にも、Googleなどの検索結果に表示されます。
このため、直リンクはnofollow(ノーフォロー)がついているため、直接的にSEO効果はあまりないと思われますが、ハッシュタグは上記のようにGoogleの検索結果にも表示されることから間接的にSEO効果はあると考えられます。
Googleの中の人が「nofollow(ノーフォロー)はあくまで参考程度にしとくわ」と明言しており、実際はノーフォロワーが付いていたも、Search Consoleを見ても被リンクとしてカウントされることもあり、全く効果がないわけではないと体感的には感じる。
さらに人気ゲームタイトルとなると、自社の攻略班でTwitterアカウントを制作し、記事をツイートすることで、RTやいいねを押され、アクセス流入の重要なファクターの一つになっているため、Twitterにおいてもフォロワー数をどのように伸ばすか、生かしてツイートをバズらせるかを攻略班()の連中は日々奮闘していることだろう。
なお、2022年6月にはこのnofollow(ノーフォロー)が外されたようで、ツイートするだけで被リンク効果が得られるようになりましたが、7月には再び付いていたことから、ただのバグだった模様。
企業型攻略サイトのSEOまとめ
このように企業型攻略サイトは圧倒的なSEOで他を圧倒し、同じようなレイアウトで同じような文章やデータを載せて企業型攻略サイト同士で日々潰しあっています。
Googleが変わらない限り、この企業に忖度した検索順位は一向に変わることはないでしょう。
ただし、GamewithやGunosy(game8の親会社)の決算を見ても、売上が頭打ちとなっており、今後の攻略サイトとしての成長はあまり期待できないことが垣間見えます。
そのうち人員削減とかで、より駄目な攻略情報を提供するようになり、検索結果には今以上にハリボテが存在する未来しか見えない…。
ディスカッション
コメント一覧
nofollow属性は有名無実ですね。少なくともリンクされないよりされたほうがいい。
そもそもnofollow属性を付けないのが、検索汚染目的だったり、荒らされ放題の古い掲示板ばかりという状況もあります。
何の情報もないページが大量に量産されつづけています。
作りかけのホームページ(一生作らない)
企業が攻略サイトを運営するのは構わんが
wiki形式じゃないのに、wikiと名乗るのが許されんのだよ
wiki=攻略サイトではないのだよ…
過去に大手含む企業型攻略サイトでライター、ディレクターをやっていた者です。記事の内容、とてもわかりやすかったです。
Google検索のアルゴリズムが年々変化しているのは全くその通りで、もともとは医療系サイトなどが正しく根拠に基づく情報を導く出すために権威性あるサイトを表示させることが、ドメインパワーに依存したGoogleのサイト評価の基準と自分も認識していました。
ところが、企業ドメインが奇しくもこの要件に当てはまってしまうことから、企業型攻略サイトはこぞってドメインパワーを強めるよう記事の生産性重視でユーザーファーストなんて二の次。いまだに調査中記事を増産しています。AIや検索ロボットが感知できない部分の穴を突いていますね。
最近では、Twitterを中心に一般ユーザー投稿の攻略画像や動画からパクリ行為が横行していますし、少し中身を変えて「自分で作った」と主張する某パクリ大国の攻略サイト版。ビッグワード系のランキング記事にいたってはエアプといわれても何のその。アクセス取るためならば手段は問わずです。たとえコメント欄が荒れようがネットリテラシーの低いユーザーを食い物にするのが企業型攻略サイトなので。そもそもwikiを名乗るのに誰も編集できない矛盾です。
(ライターはバイトなので吐き気がするほどいい加減にやってます。笑)
しかしいまとなっては情報検索はTwitterで完結するので、結局はGoogleの検索需要もなくなってくると思いますし、ソシャゲ自体、息が短く以前ほどニーズも少ないので近い数年後には企業型攻略サイトは廃墟化、もしくは絶滅するかもしれないですね。
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